山で思うこと
山で昇り降りしていると、ふと
「なんでこんなことしているんだろう?」
と思う。
肉体的にはつらいこともあるけれど、
気分良く昇り降りしている。
それでも、そう思うことがままある。
実際、山を昇り降りするという行為に、それほど意味はない。
そこにあるのはたくさんの退屈と苦しさと、
ほんの少しの楽しさ、気持ちよさだ。
ほとんどはただ単に歩いているだけだし、肉体的につらいことも多い。
ただ、歩き続けていると楽しくなってくるし、
ところどころ遠くが見えて気持ちがよかったりする。
うまく説明できないのだけど、
山に登るということは、人生ととても似ている。
なんで山に登るのかわからないし、
なんで生きていかなきゃいけないのもわからない。
でも、山があるから登るし、
生きてるから生きてる。
なんだかよくわからないけれど、きっとそうした方がいい。
たいていは大した変化もなく退屈だし、
つらいことも多いし、
でも、たまに楽しいこともあって、
その少しの楽しいことを体験したくて
なんでもない毎日やつらい時間をやりすごしている。
山での一歩一歩はほんとに小さいけど、
その小さい一歩を積み重ねていくと、
ちゃんと頂上につく。
山に教えられることは多い。