村山由佳

星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)

星々の舟 Voyage Through Stars (文春文庫)

好きなタイプの小説だった。

ある家族の物語を描いた短編連作。

血の繋がっていない兄妹。
他人の男ばかり好きになってしまう末娘。
断ち切れぬ想いを抱えて結婚しようとする姉。
ふとしたことから不倫をしてしまう長兄。
いじめに苦しむ長兄の娘。
そして戦争を経験した寡黙な父。


共通する出来事、それそれの視点、それぞれの事情、それぞれの思い。
他の家族は知る由もない出来事やその経緯、わかりあえているようで微妙に入れ違う解釈。


そんな物語がぎゅっと凝縮されている。


この本を読むと、少し人に優しくなれると思う。
そんな本。